[Professional Biography] 中島 賢

中島賢は、SOZONEXTのGeneral Managerを務めている。SOZONEXTは、アリババグループのOTAプラットフォーム「Fliggy」傘下の中国最大の宿泊プラットフォーム「小猪」と戦略的パートナーシップを締結するなど、宿泊不動産市場に新たな価値を創造するプロジェクトを手がける企業。中島は、慶應義塾大学法学部在学中は、日本法のみならず、米国憲法、英米法、国際法、中国政治、ロシア政治なども研究。インターネットの検索結果の上位に表示される情報に人間の知識やビジネスが過度に依存していることを研究し、日本・米国・ドイツの憲法の視座から卒業論文を執筆。法律に関する多様なバックグラウンドと、豊富な実務経験(ミッションクリティカルな大規模EC/マルチリンガル・システム開発、マルチリンガル版「日本不動産取引ノウハウ集システム:各言語1000項目以上掲載」開発、業務提携支援、複雑な取引内容の契約書作成、プレスリリース作成、特許申請など)を持つ。

中島は、カリフォルニア州公認のReal Estate Brokerライセンス保持者であり、日本の宅地建物取引士。不動産コンサルティングとITシステム開発の分野でそれぞれ20年以上の経験を持つ。彼は常に日本一番、世界一番を求められる環境で努力を重ね、お客様の利益を最優先に考えて行動してきた。この姿勢こそが、中島を他には見られないマルチタスキングなエキスパートへと育て上げた原動力である。グローバル市場で競争力を持つことを前提とした視座から、PropTech(不動産テック)時代において、二刀流のエキスパートとして両方のスキルを活用し、不動産技術の革新と、IT/IoT活用による安全で効率的な不動産投資・運営管理を推進している。

応用数学のエキスパートである中島は、一般的な不動産を宿泊事業用途に転用する際の評価システム「RedB InvestPro(仮称)」を、新しく設計・開発した。このシステムは複雑な数理モデル、Super Matrix計算、およびMulti-Criteria Decision Making(MCDM)アプローチを活用している。数十項目の評価項目を複雑な応用数学理論などにより解析して定性&定量データ双方を評価可能なこの革新的なシステムは、現在、特許申請準備中である。

業務経歴

認定資格・ライセンス

  • 米国カリフォルニア州公認 Real Estate Broker 有資格者
  • 宅地建物取引士
  • 不動産競売流通協会認定 競売不動産取扱主任者
  • 投資診断協会認定 投資診断士
  • 法務大臣認証裁判外紛争解決機関日本不動産仲介機構 登録調停人

学歴

  • 慶應義塾大学法学部通信教育課程(学士:法学)卒業
  • 国立岩手大学教育学部(学士:教育学;数学教員免許取得)卒業

座右の銘

「隣人愛」

人生を変えた一冊

ジャネット・ロウ著『投資参謀マンガー ― 世界一の投資家バフェットを陰で支えた男』(パンローリング )

業績と役割

  • 2017年、東京で開催された「ビル経営サミット2017」にパネリストとして参加。運営管理担当ビルが、「ビル経営アワード2018」で日本第一位を受賞。
  • 日本で最も有名なビジネス週刊誌の一社における編集部で重責を担う記者から、「WeWork」の世界的な拡大の最盛期にインタビューを受ける。世界有数のグローバル投資会社などによりWeWorkが称賛されていた時期において、彼の執筆したWeWorkの問題を鋭く指摘するブログ記事での分析が記者の目に留まり、WeWorkの特集記事のためのインタビューに繋がった。更にその後のWeWorkの大問題で、日本でも大人気で世界有数の投資会社が桁違いの巨額な損失を被る原因を的確に予測していたことが、彼の先見の明を証明した。中島の感情などに左右されない独自の事業分析手法は、ウォーレン・バフェットを陰で支えたチャーリー・マンガーに関する愛読書から大きな影響を受けている。書籍で述べられているように、複雑な数理モデルを組み合わせた論理的思考で、一時的な感情に左右されることなく物事を冷静かつシンプルに分析する姿勢が、WeWorkの問題を予見することに寄与した。
  • 不動産業界誌に多くのインタビューを受け、「グローバル化する不動産業界」、「マイナス金利政策が不動産投資に与える影響」、「中国人投資家による不動産投資の動向」などのテーマで寄稿。

専門分野

  • 日本の民泊ビジネス開始当初から、宿泊系不動産投資のビジネスモデルや法的課題に関して、様々な研究と分析を行っている。アメリカのバケーションレンタル市場の動向も詳細に分析している。インバウンド需要の最新状況については、自ら数か月間宿泊系不動産に滞在し、一般的な観光調査データに依存し過ぎないよう、地に足のついた調査を継続している。この調査手法は、中島個人がかつて経験した大規模システム開発の成功体験に基づいており、現在も継続して用いている(後述)。
  • 東京工業大学発ベンチャー認定企業(人工知能専門)の顧問として、各種駐車場の運営・管理と商業施設を組み合わせた新しい不動産サービス(Real Estate as a Service : RaaS)等、未来の不動産活用や都市開発に関する研究開発中
  • 慶應義塾大学在学中は、日本法のみならず米国憲法、英米法、国際法、中国政治、ロシア政治など、日本以外の法や政策についても研究。また、インターネットの検索結果の上位に表示される情報に人間の知識やビジネスが過度に依存していることを研究し、「インターネット検索事業者の『検閲』と表現の自由」をテーマに、3カ国(日本・米国・ドイツ)の憲法の視座から卒業論文を執筆。

某大規模ECシステム開発の実話

中島は、1990年代中盤から後半にかけて、今や日本最大級のEC事業の一つになったシステム開発を受託。EC事業を彼に発注した企業の社長からは、権威を疑うことや仕事に没頭する重要性を学ぶ。

当時、有名なコンサルタントは、米国と異なり国土が狭く、駅前に百貨店や家電量販店などが多々ある日本ではECが普及しないと主張していた。しかし、中島はECが日本でも必要不可欠になると確信していた。中島の独自調査分析データを元に、翌日配送(将来的には当日配送)ができれば、実店舗で扱わない商品も数多く取り扱うことができるため、ECの売上が飛躍的に伸びる(年間1千億円の売上に到達できる)と、中島は予測した。

そこで、中島は、まず物流施設を一週間分析し、どうすれば開発するECシステムで翌日配達が可能になるかを検討した。その頃は、仮想空間のようなECや、グラフィック重視の画面遷移が遅いECが多く、ECで購入したい消費者の目的を捉えていなかった(結果的に、年間売上高は10億円にも到達していなかった)。そのため、中島は、画面設計に工夫を加え、数多くの購入希望商品を手軽にできるだけクリック数が少なく注文できるように、自ら寝食を惜しんで開発した。

さらに、このECシステムの成功は、当時の最新コンピュータ・ハードウェア、データベース、ウェブ技術を三位一体で導入し、海外の有名大学と契約して開発したことも大きな理由である。開発者である中島は、自ら、海外の大学に数度足を運び、交渉を成立させた。これが実現しなければ、このEC開発はうまくいかなかった。現在、このEC事業は1千億円を楽に超える年間売上高を実現している。

ここで学ぶことは、主に次の3点である:

  • 権威や先入観にとらわれず、自分の考えを信じることの大切さ:著名なコンサルタントの意見に安易に同調するのではなく、綿密な調査結果と自分の信念に基づいた自分の判断を信じ、最後まであきらめずに実行し続けることが成功の秘訣である。
  • 詳細な分析と計画の重要性:物流施設の分析やユーザーフレンドリーな画面設計など、詳細な準備と計画が成功に寄与した。
  • 最新技術の導入と国際的な協力の価値:最新のハードウェアとソフトウェア技術を採用し、国際的なパートナーシップを構築することで、プロジェクトの成功を確保した。